 今回ご紹介する本は、「谷川俊太郎質問箱」という本です。谷川俊太郎さんは、中2の国語の教科書に載っている「春に」という詩を書いた方なので、ご存知の方も多いと思います。 谷川さんは詩人ですが、この本は詩集ではありません。これは、読者のさまざまな質問に谷川さんが答える本です。例えば、逆上がりができるようになるにはどうしたらよいか、というものから、宇宙人は本当にいるのか、人間はなぜ「国」を持つのか、なぜ他の人がうらやましくなるのだろう、というものまで。ふとした疑問から考えこんでしまう悩みまで、誰もが一度は思うだろうことを、谷川さんが回答してくれます。
「大切な人にどうやってありがとうを伝えますか。」みなさんなら、大切な人に感謝の気持ちをどのように伝えるでしょうか。大学生活4年分の「ありがとう」の気持ちを上手に伝えるにはどうすればよいか、というこの質問に対し、谷川さんはこう答えています。【「ありがとう」をお金で伝える、物(プレゼント)で伝える、言葉にする(書く、言う)、行動で伝える(手伝う、支える)などいろいろあるけれど、もちろん大事なのは気持ちの深さだよね、大学生活4年分というとなんだか量みたいだけど実際には質でしょ、ぼくだったらどんなことがあっても、一生その人を裏切るような行動をしない、そんな伝えかたをするかもしれない。】
人に「ありがとう」の気持ちを伝えるには、多くの方法があって、その時の状況や、相手との関係、また気持ちの深さなどによって伝えかたも違ってくるはずです。人の数だけ気持ちの伝えかたがあって、たとえどんな方法をとったとしても、きちんと相手に気持ちが伝わればそれはよい方法で、その意味では1つの正しい答えなどありません。
谷川さんに向けられた質問は、本当の答えなどない質問や、誰も答えを知らない質問ばかりです。さまざまな考え方があること、自分の考えと違っても「なるほど」と思うことを知ることは、気持ちを広く、大きくするきっかけになると思います。
自分の思い通りに行かず悩んでいるとき、また悩みがないときでも、この本をぜひ読んでみてください。その悩みの答えが見つからなかったとしても、きっと、読み終わった後に、おおらかな気持ちになっていることと思います。 |